4月1日告示、10日投開票の県議選市選挙区は、24年ぶりの選挙戦突入が確実となっている。出馬するのは自民党現職の中村裕一氏と民主党新人の斎藤麻希氏で、一騎打ちはすでに激しい前哨戦を繰り広げている。今回の戦いは6期23年間の中村氏の「継続」か、それとも斎藤氏の「刷新」かが焦点。さらにそれぞれ党の看板も背負っており、党への信頼、期待も票になって表れる。全国からみれば人口2万6000人足らずの小さなまちの選挙戦だが、前与党の自民VS現与党の民主の戦いの縮図ともいえるだろう。
 さて、当然県議は県全体の発展を考えるべきだが、あえて地元御坊市に的を絞っていえば、抱える課題は多い。さらなる企業誘致で働く場所の確保、疲弊する商店街の活性化、観光の振興、4人に1人が65歳以上という高齢化に対する福祉施策の充実等々。何よりも一番心配なのは歯止めのかからない人口の減少。本来市として認められる人口条件の原則5万人はすでに早くから下回っているが、毎年数百人の減少ペースは続いており、10年、20年先の将来に一体どうなっていくのかと思う。全国的にも人口減少の傾向が続く中で、増加させるのは難しいだろうが、一層の若者定住策や子育て支援策、さらには奇抜なアイデアもほしい。
 もちろん、当選した人が頑張るのは当然だが、24年ぶりの選挙戦をきっかけにいま一度有権者もまちの発展へいろんなことを考えてもらいたい。失礼な話だが、有権者が本当にこのまちを愛してよくしようと思っているのかどうか、その一端は投票率に表れる。今回の戦いは立候補者、党への評価が分かる半面、有権者のやる気も試される。      (吉)