いまニュース番組やワイドショーは、大相撲の八百長問題でにぎわっている。ここ数カ月間をみるだけでも、「よくこうネタがあるなぁ」と思うくらい次から次へといろいろ出てくる。あまりに多すぎて1カ月前のことすら思い出せないくらい。少し前まで毎日のように報道されていたタイガーマスク運動も少し薄くなってきたようで、このままなくなってしまわないか心配だ。
 この八百長問題。昨年の野球賭博の際に押収された携帯電話のメールから発覚した。最初、「そういったメールをなぜ残しておいたのだろう」と疑問に思ったが、そうではなく削除していたようだが、警察が復元したとのことだ。メールは削除するだけでは、パソコンでいうゴミ箱に入れるのと同じようなもので、見えなくはなるがメモリーには残っており簡単に復元できるとのこと。削除したメールの領域に新たなメールが上書きされでもすれば復元は難しいらしいが、メーカーの力を借りられる警察では不可能ではなかったのだろう。携帯メールによって八百長は詳細にかつ秘密裏にできていたかもしれないが、それが逆にあだとなり、これまで話題には上がっても証明されることがなかったことが、メールという動かぬ証拠を突きつけられることになった。
 一昔前では考えられなかっただろうが、情報化が進んだいまでは起こりうることとなっている。不要になった携帯電話のデータを削除して破棄しても、復元される可能性があるということ。またパソコンのデータも同じように復元することができる。今回は八百長を世に知らしめるための役には立ったが、情報管理の複雑化を思わせる出来事でもあった。      (城)