2月4日の立春が過ぎ、日増しに暖かくなってきた。野山では梅の花が咲き、川沿いではネコヤナギも花穂を出し始め、春の気配があちこちで感じられる。洋服店にはすでに春が到来、冬物のコートやジャンパーが店内から見られなくなり、薄目の生地で明るい色の服などが並んでいる。ファッション業界では春の商戦といったところだろう▼ところで、服の流行のカラーは2年前から決まっているそうだ。日本ファッション協会にどういう形で流行色が決まるのかを電話で尋ねてみたところ、「インターカラー」という世界で唯一のカラーに関する国際的な組織が検討会議を開いてカラーを決定し、ファッション協会らが業界に提案する形になっているそうだ。その結果、流行カラーは消費者の購買意欲を高め、業界を活性化させることにつながっているといえる。言ってみれば「仕掛け」的な位置づけだ▼みなべ町で開園中の南部と岩代の両梅林も、観光面だけでなく梅の消費面での仕掛け的な場として活用される面がある。特に南部梅林では昨年から梅酒試飲会「梅酒コレクション」を開催し、町がブランド化を進める梅酒をPR。ことしは梅干し、梅ジュース、備長炭で焼く目刺しも加えて新たにアピールする。梅文化の一つとして梅染め作品も展示される。イベントが開催される今月11・12日には、オールみなべの特産品がそろうことになる▼梅林には、梅に少しでも興味を持っている都会の住民らが毎年大勢訪れる。「みなべ町の梅」を仕掛ける絶好の場。今後はいま以上に大掛かりな仕掛けづくりを進め、開園中の梅林が梅消費を左右するほどの大きな影響力を持つことを期待したい。  (雄)