母がスーパーの袋がいいか、紙袋にしようか迷っている。もちまきだ。地元では年明けから春先にかけて、いくつかお地蔵さんのもちまきがある。母は趣味かというぐらい足を運び、もちろん食べるのも主食かというほど好き。専用かどうか前掛けタイプの装備はしないが、「ストレス発散、2月にはどこどこであるんや」と楽しみに、いや、張り切っている。
 日本人は古くからめでたい行事にもちを投げ、多くの人にその福を振る舞い、幸せを願ってきたといわれている。これがもちまきの由来だろう。「天からの授かりもの」として豊作を祝ったり、厄払いという話も聞いたことがある。一般に代表的なものは新築の建前行事(棟上げ)。建物のお披露目の意味を込め、家内安全や繁栄を願うという。もちを拾う方も、もちが欲しいという思いとともに縁起を担いで福のおすそわけをしてもらう。
 担当する由良町では行事の締めにもちまきがよく行われる。年が明けてからすでに興国寺の天狗まつりと網代の恵比須まつりであった。すぐ思いつくだけでも今後ふるさとフェスティバル、興国寺の花まつり、ふれあい祭、ゆら博愛園の開設記念行事、畑小学校の農産物品評会。あまり好きでも得意でもないが、ことしは拾わせていただこうかと思っている。
 このほか最近では結婚披露宴の2次会やコンサートのあとにも行われ、若者の間にも古来の伝統文化が広がっているとか。どれも大勢の人が寄り、いずれも大盛り上がり。税金のバラマキは批判の的だが、もちまきはいいだろう。人が集まってエキサイティング間違いなし。この不景気を吹き飛ばす一つの材料として、もっとさまざまな祝いごとや行事でもちをまいてはどうか。     (笑)