漫画「タイガーマスク」の主人公・伊達直人(だてなおと)らを名乗る人物からの贈り物が全国的に相次いでいる。始まったのは昨年12月25日で、前橋市の群馬県中央児童相談所に「伊達直人」名義で10個のランドセルが届けられたのがきっかけ。以後、全国各地で同様の寄付行為が続き、「タイガーマスク運動」と世間の注目を集めている。
 日高地方でも先日、御坊市教育委員会に「交通遺児のために使って下さい」と仮面ライダーと名乗る人物から11万8478円の寄付があった。みなべ町でも南部幼稚園にアニメキャラクターのプリキュア名で「子どもたちのために使って下さい」と現金3万円が届けられた。
 タイガーマスク運動とは異なるが、政府も子どもを支援する贈り物として子ども手当を支給している。児童養護施設に入所している親のいない子どもらについては来年度から安心子ども基金を活用して子ども手当と同額が支給されることになったが、これまでは手当が支給されていないことに矛盾を感じていた。子どもの養育費用に困らない高額所得者に対しても支給されていていることにしても、本来の趣旨から外れているようにも思える。こうしてみると、本当に必要な人のために税金が使われているのかが疑問だ。
 政府の予算について「ばらまき」と批判されることが多い。各地方自治体も現在来年度予算案の編成を検討中で、3月の当初議会で審議される。伊達直人が子どもたちに本当に必要な物を贈っているように、執行部や議会には、住民が本当に求める事業に対して税金が投入されているかを真剣に審議してもらいたい。       (雄)