2010305-1.jpg インターネット上で人と人が出会い、情報を交換し、趣味などを通じて新たな人間関係を構築する場が人気を集めています。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と呼ばれるサイトがそれで、日本では会員の招待を受けて参加できる国内最大のmixi(ミクシィ)が有名ですが、 最近はこのSNSにチャット(リアルタイムの文字入力コミュニケーション)の要素を取り入れたTwitter(ツイッター) が大流行。今回はこのツイッターについて、政界きってのIT派としても知られる自民党参議院議員、世耕弘成さん(47)に話をうかがいました。
 ツイッターは、 アメリカのツイッター社が運営するコミュニティサイト。 サイトに登録する個々の利用者 (ユーザー) が 「What are you doing? (いま何している?」 という問いに対して、 「ツイート」 という140字以内の文章を投稿していくとてもシンプルなWebサービス。 ユーザーには自分専用のサイト (ホーム) が与えられ、 いま、 自分はどこで何をして、 どんなことを考えているかを思いつくまま、 ひたすらツイートしていきます。 ツイートとは、 小鳥のさえずりを意味し、 ユーザーの発言 (ツイート) はつぶやきといわれ、 基本的にはすべてのユーザーが見ることができます。
 ここまではネットに自分の日記を公開するブログのようなものですが、 ツイッターにはフォローという他のユーザーを友達のように登録する機能があります。 フォローしたユーザーの発言はホームに表示させることができ、 フォローの人数を増やすことでいろんな人のつぶやきが自動的に流れてきます。 また、 気になるつぶやきには返事をすることができるのがポイント。 「あそこのラーメンおいしいで」 「今度の試合頑張って!」 などと話しかけ、 そのやりとりを他のユーザーが見ることができるので、 どんどん会話が発展していくこともあります。
 世耕さんは自身のホームページでメールマガジンやブログはもちろん、わかやま新報に連載している 「がんばってます」(私の見解)や各種メディアでの記事や発言をアップした 「世耕@メディア」、 国会での質疑や発言内容をまとめた 「世耕@国会審議」などをもれなくアップ。政治家になる前はNTT本社広報部報道担当課長を務め、ITに関してはお手のもの。 国会でもネット選挙や医薬品のネット販売規制、ネット献金などの問題に取り組み、広報戦略のプロとしても有名です。
 ツイッターを始めたのは、 じつはまだつい最近のこと。 昨年の12月4日、 山本一太議員らと立ち上げた党の 「新世代保守を確立する会」 の勉強会で、 楽天の三木谷会長を講師に招いた際、 三木谷会長の秘書がその場の状況をツイッターに実況中継しました。 以前からツイッターそのものは知っていましたが、 各議員の発言 (つぶやき) に対してすぐさま何十人ものユーザーから反響がくるのを目の当たりにし、 「これは政治家としてやらない手はない」と、 その日からやり始めたそうです。 つぶやくのは、 自宅や事務所ではパソコンですが、 外でも移動中や時間があればドコモのスマートフォンでつぶやき、 フォローした友達のつぶやきをチェックしては返事を打ちます。
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元モーニング娘。加護ちゃんのホーム
 世耕さんの場合、ツイッターの魅力はなんといってもリアルタイムの 「速報性と口コミの広がり」だそうです。ブログも一見、同じように見えますが、「ブログの場合はやはりパソコンの電源を入れ、キーボードである程度完成した文章を書くわけですが、ツイッターはどこにいても携帯やスマートフォンですぐ打てます。さらに140字という制限があることから、多少荒っぽい文章になりますが、ものごとを簡潔にまとめて伝えるという訓練にもなり、私にとってはかえってありがたい」。また、ツイッターはつぶやいている最中にも見ている人からどんどん返事がくる楽しさがあり、これについては「携帯のショートメールをネットに公開しているよう感じでしょうか。互いのやりとりをみんなに見てもらい、それを見た人がまたつぶやき返して、話が広がっていくところがおもしろいですね」。ちなみに世耕さんは自分が選んだフォロー(友達)は709人ですが、世耕さんのつぶやきを常に見たいというフォロワーは4日現在、1万7600人を超えていて、世耕さんにつぶやきを返し、それを見た世耕さんがつぶやき返した瞬間、その人とのやりとりは1万7600人に読まれるというわけです。
 いま、 ツイッターの登録者は爆発的に増えていますが、 世耕さんの感覚では 「まだほとんどは生活にITを先端的に取り入れている人ではないでしょうか」。 実際、 話題もIT関係が盛んで、 ITのことをつぶやくとすごく反響があるそうです。 もちろん、 政治家の世耕さんは有権者とのコミュニケーションツールとして大いに役立っていて、 和歌山の人からは農業分野に詳しい人らと情報交換していますが、 残念ながら和歌山の人からの返事は少ないとのこと。 「私の場合、 1回に多ければ数百のつぶやきが返ってきます。 あまりにも主張が偏っている人には返事をしませんが、 和歌山の人で、 和歌山のPRになるような話題をくれた方には必ず返事をしています。 御坊や日高地方の人ももっと始めてほしいですね」 と話しています。