御坊市湯川町富安、花と緑の総合卸・小売・造園業ナーセリーナカムラ(中村光男代表)が3年計画で進めていた、大型ドローンを使った水稲直播(ちょくはん)の実証実験が終了した。従来の田植えと比べやや収穫量は減るが上々の成果で、苗の育成や田植えがなくなる分、労力削減の効果が大きかった。一方、ジャンボタニシによる食害対策の課題も浮き彫りとなった。

ドローン直播で育った水稲に防除薬剤の散布も(写真は今年8月12日)

 県の事業再構築チャレンジ補助金を活用して2024年度からスタート。藤田町吉田の田んぼでドローンの直播で種もみをまき、種もみのコーティングや田んぼの水管理などを試行錯誤してきた。米は新品種の「にじのきらめき」や以前から普及している「きぬむすめ」を使い、年々栽培面積も増やした。3年目は48㌃で行い、収量は10㌃当たり8・4~8・8俵。2年目の実験に比べやや少なく、雨不足などによる生育不良が影響した可能性があるが、一定の収量を確保できることが確認された。ドローン直播では従来の田植えのように別の場所での育苗や田植え時の苗の運搬、移植作業の必要がなく、大幅な農作業時間と労働力の削減につながった。ジャンボタニシについては、直播で発芽直後の稲が食害されるリスクがあることが分かり、石灰窒素の投入や取水口に網の設置などの対策を実施。食害を完全になくすことはできなかったが、一定の効果があった。ジャンボタニシの発生状況に応じた対策が必要としている。

 ナーセリーナカムラの1級造園技能士・中村友哉さん(34)は「収量の安定化や作業の効率化には引き続き改善の余地がある。担い手不足や農家の高齢化が進む中、農作業の省力化は重要な課題であり、今後も独自にドローン直播の研究を続けたい」と話している。