御坊市の三浦源吾市長が9日、臨時の会見を開き、紀州鉄道(経営=紀州鉄道株式会社)と、鉄道の事業譲渡を予定していた企業とが最終の合意に至らず、譲渡の交渉が決裂したことを明らかにした。関係筋によると現時点で別の譲渡先の目星はついていないとしており、紀州鉄道が再び廃線の危機に陥る形となった。

 日本一短いローカル私鉄の紀州鉄道はかねて赤字続きで存続が危ぶまれていたが、今年6月、事業譲渡の方向性が決まったことが市から発表され、存続に一定の道筋が見えていた。

 今月1日、同市地域公共交通活性化再生協議会紀州鉄道部会で中川源行社長から「これまで進めてきた事業者との譲渡交渉が合意に至らなかった」との説明があり、三浦市長は8日にその報告を受けたと説明。「いい方向に進んでいただけに、大変ショックを受けている。詳細な内容は差し控えたいが、私は存続を希望している。会社として正式に今後の方向性を決めていただき、その上で今後の市としての関わり方を考えたい」と述べた。中川社長が「近いうちに社内で方針、判断を出す」と話していることも付け加えた。

 関係筋によると今回の交渉決裂は鉄道の将来的な運営難の見通しがネックになったようで、現時点で新しい譲渡先の候補は見つかっておらず、譲渡計画は白紙に戻った。

 市は今年度、紀州鉄道の必要性や将来的なあり方に関する調査・検討支援業務を行っており、今後この事業を継続するのかどうかは未定。鉄道の存続に向けては地元ファンクラブが設立され、署名活動や鉄道イベントなどが展開されていた。