由良町産の生ニンニクを使った石井食品のハンバーグが、全国で約4万個を売り上げた。由良のニンニクを使った商品が全国の店頭に並んだことは、産地にとって大きな一歩だ。
商品は鶏肉をベースにしたハンバーグで、2種類の味を試作し、消費者アンケートを経てトマトソース味に決定。実際に食べてみたが、湯煎するタイプながら、いわゆるレトルト食品とは違い、しっかりおかずとして食卓に出せる味だった。生ニンニクの風味も感じられ、無添加調理を進める石井食品の取り組みにも安心感がある。
今回、取材を通じて特に印象に残ったのは、4万個という販売実績が、由良のニンニクを作る生産者の励みになっていることだ。生産者からは「ハンバーグがこんなに人気があるなら、頑張ってニンニクを作らなければ」という声が出ていたという。商品開発や販売の話を聞く中では、原料となるニンニクが足りないという話も出ていた。商品の人気が、生産意欲を高めるというのは、地域の特産品を育てていく上で大きな意味を持つ。
かつて多くの生産者が栽培していた由良ニンニクは、一時、生産が衰退した。現在は地域の特産品をもう一度盛り上げようと、生産復活への取り組みが進められている。そこに今回のハンバーグが加わった。商品が売れれば、原料が必要になり、生産者が「もっと作ろう」という気持ちになる。この循環が特産品を復活させる上で大切なのだろう。
地域の特産品は、作るだけでなく売る場所、買う人が必要。大手企業が由良ニンニクの魅力を全国に届けてくれたことはありがたい。今後もハンバーグが、由良ニンニク復活の追い風となることを期待したい。(城)


