みなべ町の山本秀平町長は16日、津波浸水エリアにある現庁舎の移転を含めた検討委員会を立ち上げたことについて、「移転ありきではない」との考えを示した。議会一般質問で真造賢二議員の「移転を前提に進めようとしているのではないか」に対する答弁。今後、現庁舎をそのまま使用するのか、改修した上で使用するのか、移転がいいのかなど、検討委員会で幅広い議論をした上で方針を決めたいとした。

庁舎の在り方について質問に答える山本町長

 庁舎に関しては、地元芝地区住民らでつくる栄町区公共下水道終末処理場対策委員会と30年前に「終末処理場建設地の隣接地に役場庁舎を建設する」との確認書を交わしている経緯がある。同委員会では、確認書があるにもかかわらず町が地元区に十分な説明のないまま移転を含めた検討を進めようとしていることを問題視。7月には山本町長や幹部と意見を交わす勉強会を開き、8月には議会主催の意見交換会も開かれ、委員会として「確認書の通り、今後も庁舎を中心としてまちづくりを進めるべき」「庁舎よりも隣接する処理場の安全対策が先だ」との意見が出ていた。

 真造議員は、庁舎の在り方を検討する事業者を町が公募した際の仕様書に、現庁舎の改修の記載がないことなどから「移転ありきではないのか。現庁舎を改修した場合と比較することが必要」「公共下水道終末処理場の防災対策も同時に検討すべきでは」などと質問した。

 山本町長は、「仕様書だけを見ると確かにそう取られても仕方ないかもしれないが、移転ありきでなく、改修との比較など幅広い議論を進めて方針を決めていきたい」と強調。下水道処理場については「津波のリスクに対応できる対策を進めていきたい」とした。地元住民への十分な説明がなかったことなどに関しては「検討委員会のメンバーに入ってもらうことと、地元区との勉強会を今後も続けていく」などと答え、庁舎の在り方は何も決まっておらず、今後検討委員会や住民の意見を聞きながら決めていく姿勢を改めて示した。