御坊市と同教育委員会主催、2026年度第3回市民教養講座が12日、御坊市民文化会館大ホールで開かれた。講師は城郭考古学者で名古屋市立大教授・奈良大特別教授の千田嘉博さん。「豊臣兄弟の城」をテーマに、今年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」に登場した城に関するエピソードなどを取り上げながら分かりやすく語った。

戦国時代の城について解説する千田さん

 千田さんはまず御坊市に城跡のある中世の山城、亀山城について「中心に土塁、周囲に多くの段々があり、いざという時に多くの人が逃げ込める形」と解説し、日高別院を中心とする昔の街並みについて「道路の区画が正方形になっているのはすごく特徴的。昔は長方形の街区が中心だった。御坊は平城京、平安京など古都の形が手本となっており、格式高いなと感じました」など話した。

 千田さんは10年前、2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」で城郭考証を担当。放映中の「豊臣兄弟!」で秀吉のライバル柴田勝家が妻で織田信長の妹のお市と天守閣から身を投げた場面について「天守閣のすぐ下には屋根がありますから、あれは助かってますね。そのほかの飛び降りられる場所、どこを見てもすぐ下に屋根があります」など当時の城の仕組みを解説しながら話し、史実では勝家は切腹したことも説明した。主人公で秀吉の弟の秀長についても、客人を待ちきれずに自ら馬に乗って途中まで迎えに行き相手を喜ばせるなど、まったく偉ぶったところを見せずに相手の心をつかむという人柄をしのばせる逸話を紹介。「豊臣政権を本当に支えていたのは秀長かもしれない」など話した。