
前回の芥川賞作家に続き、今月のテーマは「直木賞作家」とします。
直木賞を受けた歴史小説家同士の対談をまとめた一冊をご紹介します。
日本歴史を点検する(海音寺潮五郎、司馬遼太郎著、講談社文庫)
海音寺潮五郎は1936年に「天正女合戦」「武道伝来記」で第3回直木賞、司馬遼太郎は59年に「梟の城」で第42回直木賞を受賞。1901年生まれの海音寺潮五郎と23年生まれの司馬遼太郎が「日本歴史」をテーマに、自在に論を展開し合う貴重な一冊です。
* * *
海音寺 見事な生き方という言葉が、日本にはありますね。これも美意識による考え方ですね。自らを芸術品として見て、自らの審美感に合致させるようにして生きようという考え方ですね。(略)
司馬 人間が社会を組み上げるために必要なモラルというものが衰弱し、それでもなおかつ美意識が残っている美意識、つまり日本人の対思想意識における皿、容器、それがむしろモラルの代用物になってキラキラ光ろうとしている。


