24年度からはドローンを活用した防災も手がけたが…

 株式会社ネクストデリバリー(本社・山梨県)は今月末で、2023年から日高川町の旧美山地区で行っていた物流サービス「ドローン配送事業」を撤退する。同社は町と1年間の委託契約を交わして事業を進めていたが、10月からは地域への新聞配送や買い物業務サービスが廃止となる。ドローンを使った過疎化対策として注目されたが、事業は3年で終了することになった。

 事業は内閣府の全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会を目指すデジタル田園都市国家構想交付金を活用。町は山間地域の物流の維持や新聞配達員不足などの課題を背景に23年5月、ネクストデリバリーと6000万円(国3000万円、町3000万円)の委託契約「ドローンを活用した新スマート物流実装業務」を締結。川原河に物流拠点となる「スカイハブ日高川店」を開設し、ドローン配送、フードデリバリー、買い物支援、新聞配送などによる地域課題解決に向けた取り組みを始めた。

 しかし、ドローンの配送事業は利用者が少なく採算が合わず、貨物車で食料品などを配達。美山地区への配達物を一手に担う共同配送も手がけたが、他の配送業者との調整が進まず十分な荷物の集約には至らなかった。

 24年度からは災害時の物流輸送等を想定した防災ドローン事業にも着手し、同年6月、2000万円(国1000万円、町1000万円)の委託業務契約を締結。全町的にドローンが飛行する防災ルートの構築に取り組み、設定する飛行40ルートのうち22ルートが完成している。この事業に関しては引き続き継続し、残りの18ルートは今年度中に整備する。

 ネクストデリバリーは経営状況の悪化に伴い事業を縮小させ、北海道、山梨、新潟、石川など全国8カ所でも日高川町同様の事業を展開していたが、いずれも閉鎖する方針だという。