由良町三尾川の漁業・尾上幸太郎さん(28)が、未利用魚を使った無添加ペットおやつの製造、販売を始めた。日高郡6町の創業支援事業計画に基づく特定創業支援事業を活用した取り組みで、「海の恵みを無駄なく生かすとともに、漁師の所得向上や漁業従事者の増加に貢献したい」と意気込んでいる。

商品を手に尾上さん㊧と山名町長

 尾上さんは和歌山市出身。高校卒業後、高知、愛媛両県で定置網漁やシラス漁、カツオの一本釣り、養殖などの漁業を学び、2021年に帰郷。同年5月に三尾川へ移住し、地元の漁業会社勤務を経て、25年に漁師として独立した。

 日々の漁で市場に出回らない未利用魚が多く発生することから、「何か有効活用できないか」と考え、自身が猫をかわいがっていたことなどからペットおやつへの活用を考案。試行錯誤を重ね、商品開発を進めてきた。

 今回発売したのは「本物イワシ」(税込み1540円)。尾上さんが自ら漁獲した商品化できない小さいイワシなどを使用し、水揚げから2時間以内に加工を開始。スチームした後、低温乾燥機で時間をかけて乾燥。噛み応えのある食感を残し、イワシ以外のものは一切加えていない。添加物を使わず、塩分も少ないため、ペットにも安心して与えられる。

 自身の店舗は持たず白崎海洋公園と由良わくわく塾で販売。今後は町内外の道の駅などの観光施設をはじめ、動物病院やペットショップ、ドッグランなどへの営業を進めるとともに、インターネット販売も行う。さらに、メジカガツオ、イラ、タカノハダイなどへ対象魚種を広げ、新たなジャーキー商品の開発にも取り組んでいく。

 1日には由良町役場を訪れ、山名実町長に商品を紹介。尾上さんは「海の恵みを有効活用するとともに、新しい漁業従事者が増えていくような仕組みづくりにも貢献できれば」と話している。

 特定創業支援事業は、郡内の商工会で経営、財務、人材育成、販路開拓などについての支援講習を受け、町の認定を受ければ融資などで優遇される。尾上さんは町内で19人目の認定者となった。

 商品の購入は、ホームページhttps://shop.honmono.fish/から。