来年4月から2年間、食料品の消費税率を1%に下げる基本方針が閣議決定された。残る1%分は現金給付で「実質ゼロ」化を実現するというが、年間5兆円の財源をめぐり、ほぼすべての既存メディアが反減税の大キャンペーンを展開している。

 凄まじい反高市の嵐のなか、実際にはそんな声はほとんど聞こえず、多くの国民が減税を望んでいる。政治のニュースでよく聞く「世論」は「民意」と同義のようでそうでなく、最近はこの両者がまったく合致しないことも珍しくない。

 首相は今年1月、物価高対策として「2年間、食料品の税率をゼロにする」考えを表明した。直後に行われた解散・総選挙では、「2年間の税率ゼロ化への検討加速」を政権公約に掲げ、単独316議席という大勝利を収めた。

 結果は、物価高に苦しむ国民が高市首相の減税方針を支持したことの表れだった。先月末のマスコミ世論調査は軒並み内閣支持率が急落し、各社、議論が対立した皇室典範と副首都構想をめぐる「首相の説明不足」「国会軽視」「数の横暴」をその理由に挙げた。果たしてそうなのか。

 世論調査の結果は、消費減税実現の遅れが最大の要因で、高市首相が官邸主導でこれほど強気に、財務省と党内の反対勢力を押し切ったのも、期待が失望に変わりつつある国民の空気を痛切に感じているからであろう。世耕氏復党に反発する人たちが声高に叫ぶ「裏金」も、元をたどれば同じ根っこでは。

 税収の上振れや税外収入、法人税の見直しを、マスコミは消費減税の安定財源とはみなさない。秋の臨時国会に向け、外食事業者の不安解消も含め、政権はより詳細で納得のいく成案を。(静)