
みなべ町は、防災対策のさらなる充実に向け、今月1日付で任期付き職員として新たに元航空自衛隊員の井上智裕さん(60)を採用し、3日に山本秀平町長が辞令を交付した。
防災の専門的知見を持った退職自衛官を採用することで、災害への備えや万が一の有事の際の対応力を強化しようと、今年5月議会で採用方針の議案を提案し、可決されていた。
井上さんは京都府福知山市出身で、1986年に陸上自衛隊に入隊。翌年、航空自衛隊パイロットコースに移管となり、91年に操縦士資格を取得、92年から4年間、小松基地で戦闘機F4ファントムの操縦士を務め、結婚を機に哨戒機に乗り換えた。
東日本大震災は青森県の三沢基地で経験、横田基地に移動してから2年8カ月間は自然災害発生時に航空自衛隊をコントロールする防災部門を担当。日本一大規模な訓練といわれる九都県市合同演習なども経験した。退職までは奈良県で航空作戦等を教育する危機管理官を務めた。
南海トラフ地震の発生が懸念される中、沿岸地域のみなべ町で専門職を募集していることを知り、自分の知見を生かしたいと応募し、採用された。
山本町長は「防災対策に取り組んでいるが、まだまだ課題はある。一人でも多くの命を救うために何を優先して取り組めばいいのか等について、専門的な知識を発揮してもらいたい。有事の際の効果的な判断にも期待している」と期待を込め、井上さんは「海に近く、危機感を持った住民の方が多いと思うので、まずは話を聞かせてもらい、勉強して防災強化の手助けになりたい」と話した。
消防防災室主幹として2年間勤務する。


