美浜町和田の訪問看護ステーション「ふらっと日高」が、日高地方で初めて、県内でもまだほとんど進んでいない母子訪問看護をスタートさせた。産前産後の母親のケアや新生児の育児と発達をサポートするサービスで、分からないことが多くて不安になったり、誰にも頼れず産後うつに陥りやすい子育て世帯に寄り添う取り組み。安心して産み育てる環境づくりの一助として注目されている。

ふらっとは、特定看護師の柳本将喜さん(43)=みなべ町堺=が2023年に立ち上げた株式会社サンライズが運営。同年4月に堺地内に開設し、昨年7月には美浜町和田に、2施設目となる「ふらっと日高」をオープン。これまでは高齢者を中心とした訪問看護を展開していたが、今年5月からふらっと日高を拠点に母子訪問看護も始めた。10月からは和歌山市に3施設目を開設する。
きっかけは、「双子の赤ちゃんの訪問看護をしてくれる事業者を知りませんか」と相談を受けたこと。柳本さんは昨年、小学5年生だった自身の子どもが突然、潰瘍性大腸炎を患ったこともあり、困っている人の力になりたいと、相談を受けた双子の赤ちゃんの訪問看護を引き受けることにした。ほかにも支援が必要な家庭があるのではないかと、産前産後のケアをする母子訪問看護を本格的に取り入れることにした。
産前の妊婦はひどいつわりに悩まされたり、産後も育児の知識がないまま子育てしなければならない母親も多く、核家族化で周りに助けてくれる人がおらず孤立する家庭も増えており、産前産後ケアは全国的に課題の一つ。ふらっとでは、専門知識を持った助産師の西中真理さん(47)を母子訪問専属として日高を拠点に現在、4家庭で支援している。
主なサービスは、妊娠期のひどいつわりに対して点滴を実施したり、出産準備の話し合い、産後は授乳や沐浴の指導、赤ちゃんの健康状態のチェック、母親の心身のケアに加え、父親へのアドバイスなど家庭全体をサポートする。柳本さんは「0歳から100歳以上のすべての人をサポートできる事業所を目指している。母子訪問看護は全国的に少しずつ増えているが、まだまだ少ないのが現状。安心して子育てできる環境の一助になりたいい」。西中さんも「行政の産後ケアまでたどりつけない、SNSでしか助けを叫べない子育てに悩んでいる人がたくさんいる。医療保険適用で自己負担も少なく、寄り添ったケアをさせていただきますので、母子訪問看護という選択肢があることを多くの人に知ってもらいたい」と話している。
問い合わせはふらっと日高℡0738―20―1300。


