第108回全国高校野球選手権和歌山大会が炎天下、熱戦を繰り広げている。本紙エリアからは7校が出場。これまでの戦いを振り返ると、南部、和歌山南陵、和歌山高専は初戦で敗退。日高中津は1回戦、日高と紀央館は初戦(2回戦)を突破したものの、次戦で惜しくも敗れた。唯一勝ち残っている南部龍神は、1回戦で南部、2回戦で桐蔭、3回戦で笠田・紀北農芸の連合を破り、ベスト8に進出。次戦は創部以来初となるベスト4進出を懸け、耐久と対戦する。持てる力を存分に発揮し、悔いのない試合を見せてもらいたい。

 紀三井寺球場で取材を続ける中、試合後の光景が印象に残る。勝利したチームのベンチ裏では、大粒の汗を流しながら笑顔を見せるナイン。一方、敗れたチームのベンチ裏では、真っ赤に目を腫らし、涙を流す選手たちの姿を幾度となく目にした。最後まで勝ち残るのは、ただ1校だけ。敗れたチームは悔しさを胸に母校へと帰る。その悔しさは先輩から後輩へと受け継がれ、日々の練習に打ち込む原動力となっていく。負けることが強さを育む力になるのだろう。

 高校野球に限らず、全てのスポーツも頂点を目指して努力を重ねるが、ほとんどのチームは志半ばで敗れてしまう。しかし、再び立ち上がり、来年の大会に向けて努力する。その繰り返しこそが、チームの伝統となり、強さを生み出すのだろう。これはスポーツだけに言えることではなく、仕事でも勉強でも同じ。失敗した経験を糧にすることで人は成長する。

 夏の高校野球県予選大会は22日までに28チームが敗退し、多くの球児が涙を流した。その一粒一粒が、いつか勝利へとつながる尊い力になると信じたい。(雄)