国の文化審議会は17日、国の登録有形文化財(建造物)に新たに県内から5件を登録するよう、文部科学大臣に答申した。うち日高地方からは御坊市薗、旧寺内町に位置する天性寺の本堂が登録。同市内で寺の国登録有形文化財は初めて。ほか県内では湯浅町の施無畏寺(せむいじ)の持仏堂及び玄関、庫裏、山門、田辺市の榎本家住宅主屋。今後、所定の手続きを経て正式に文化財となる。

天性寺は浄土真宗の寺院で、本堂は1935年に建設された大型の木造平屋建て、瓦葺きの仏堂。正面に向拝屋根(ごはいやね)を設けているが、階段はなく、土間の土縁(どえん)から入る。本堂内には52畳の広い空間があり、彫刻や漆(うるし)で華やかに飾られている。各所に近世以来の浄土真宗仏堂の特徴を見せるが、正面を土縁として多くの信徒を迎えられる造りなど、近代らしい工夫も見られる。これで市内の国登録有形文化財は12カ所、42件となる。
施無畏寺は1231年に有力御家人の湯浅景基が建立し、白上山で修行した明恵上人を開山として招いた。持仏堂は東側に内外陣、西側に書院座敷を配し、玄関は彫刻や火灯形頭貫(かとうがたかしらぬき)で飾る。庫裏は正面に出格子を構えた伝統的な外観、山門は波や龍をあしらった瓦がある。
榎本家住宅主屋は街路に面して建つ典型的な町家建築で、木造2階建て、瓦葺き。2階座敷は床の間を備えヒノキやスギの良材を多用した質の高い意匠となっている。
今回の登録を含め県内の国登録有形文化財(建造物)は計412件となる。


