日高川町入野のため池で、世界的な博物学者・南方熊楠(1867―1941)の従弟(いとこ)に当たる古田幸吉さん(1879―1951)が大正時代後期に植えたとされるハスが今年も鮮やかなピンク色の花を咲かせた。

今年もピンクのきれいな大輪が開花

 熊楠の父は入野出身の向畑弥兵衛。入野から和歌山市へ移って南方家の婿養子となり、妻スミとの間に熊楠が生まれた。幸吉さんの父(善兵衛)と熊楠の父(弥兵衛)は兄弟で、入野に生まれた幸吉さんは熊楠の従弟に当たる。

 田土池(たどのいけ)と呼ばれるため池の広さは約100平方㍍。一時はザリガニの被害でハスが全滅しかけたことがあったが、危機を乗り越えて約100年にわたって毎年ハスの花を咲かせ続けている。現在は、池の近くに住む幸吉さんの孫、古田義信さん(79)がザリガニを駆除するなどの世話をしている。開花時期には写真撮影で訪れる人もみられる。

 ハスの種類については詳しく分からないが、以前ハス池を見に行ったことがある和歌山大賀ハス保存会会長の阪本尚生さん(御坊市)によると、「日本に古くからあるハスの種類で『皇居和蓮』に似ている」と話している。

 今年は7月初めから咲き始め、現在は数輪が開花。つぼみも多く、例年だと8月中旬ごろまで楽しめるという。

 義信さんは「今年はザリガニの影響でハスの花が例年より少ないが、きれいに開花し始めた。朝、ハスの花が開いているのを見るのが楽しみです。幸吉じいさんもハスの花を見て楽しんだことでしょう」と話している。