北海道に生息し、特別天然記念物にも指定されている代表的なツル、タンチョウが29日朝、美浜町和田の水田等で確認された。和歌山県で見られるのは非常にまれという。成鳥とみられる1羽で、美浜町田井の田渕高行さん(81)が写真撮影に成功した。

タンチョウは漢字では「丹頂」で、頭頂部が赤いことに由来する。全長約100~約150㌢、翼を広げると240㌢にもなる大型のツル。韓国北部や中国、朝鮮、ロシア南東部に生息。国内では北海道東部が生息地とされる。明治期に乱獲され、絶滅したと考えられていたが、現在は道東を中心に周年生息している。越冬地は主に釧路湿原周辺だったが、近年は十勝平野や根室での越冬例も確認。2023年の国内での生息数は約1850羽とされる。
趣味で写真を撮っている田渕さんは知人から「ツルが田んぼに来ている」と聞いて駆けつけ、「和田不毛」と呼ばれる辺りで農道に立つタンチョウを発見。虫をついばむ様子など、400㍉の望遠レンズで撮影した。「警戒心が強い鳥と思うので、気づかれないように気を付けて撮りました。何年も前、コウノトリを撮ったことはありましたが、タンチョウを実際に見るのは初めて。きれいな鳥ですね」と話している。
南紀生物同好会常任委員の上出貴士さん(54)=日高町=は「白に赤が日の丸のようでもあり、日本人には昔から愛される鳥ですね。この時期に和歌山県でみられること自体、非常に珍しいです。大陸への渡りの途中で迷っているのかもしれません。そっと見守ってほしいと思います」と話している。


