感情的にならない本ということで、私にとって感情的になることは、やはり身近な問題だ。子育て、仕事など、感情と向き合わない日はないくらいである。そこで、怒りや悲観といったマイナスの感情から効率的に人間関係をおさめ、最小限の心理的負担で過ごしたいと毎日願うばかりだ。その感情は、相当に自分を疲れさせるからだ。

 そんな中、手に取ったこの本は、深い心理的な考察などはほとんど書かれていない。「こうなるから、こうなるよね」と、行動と思考パターンの癖を教えてくれる本だ。「そんなことはわかっているけど…」と、もう少し深い理解を得たい方には物足りない。しかし、いったん思考を通じて行動を変えることを実践してみるには、なるほどと思わされた。少しだけ紹介させていただきたい。

 ―まず、感情の法則で一番シンプルな解決方法は、「放っておけば解決する」という考え方である。放っておくためには、意識を別のものに向けることが大切だ。また、感情というのは押されれば押し返そうとするもので、相手が強く出てくれば、こちらも負けまいと強く出てしまう。自分の意見は、あくまで一つの見方と思うことができ、他人の意見もまた一つの見方だと思えるならば、そこで決着をつける必要はないという。自分から「それもそうだね」と言ってしまえば、押し合いも引き合いも始まらない。それこそが自分自身が楽になるための方法なのだそう。

 感情も成長に必要なものである。その上で、切迫した状況でないものは、楽しく省エネ思考で生きたいものである。(灯)