皇室典範改正への作業が山場を迎えている。衆参の「立法府の総意」が高市総理に提出され、政府による法制化作業が始まっており、今月下旬にも改正案が提出される見通しだが…。
自民と日本維新の会は昨年10月に交わした連立政権合意書に、旧宮家の男系男子を養子に迎え皇族とする案を第一優先として盛り込み、高市首相は4月の党大会でも声高らかにその方針を示した。しかし、提出された立法府の総意は、①女性皇族が婚姻後も皇室にとどまる②旧宮家男系男子を養子に迎える――の2点を柱とし、政権最優先の養子案は後ろに回ったような印象となった。正直、これは首相としては受け入れがたい。女性・女系天皇への道を開くことになるからである。
①が立法化されると、将来の愛子内親王殿下のお子様に皇位継承資格はないが、悠仁親王殿下のお子様(男子)はその資格をお持ちになる。そうなれば「国民の間でそれはおかしいという声が必ず上がり、女系天皇を認める典範改正につながりかねない」。万世一系の血統(男系継承)を守りたい保守派は強く危惧する。
また、養子案は対象者の年齢を15歳以上とすることを想定しているというが、これも候補者が特定されやすくなり、事前報道でつぶされる恐れがあるとの反対意見もある。詰めの作業は水面下で激しく対立しており、自民党内保守派グループと代表メンバーは①案に関し、女性皇族の夫と子は皇族としないことを条文に明記せよと求めた。
国体の根幹にかかわる重要課題であるが、国民の関心は高いとは感じない。この空気は衆院選で単独315議席の大勝利を収めた高市首相には逆風か。政治生命をかけた決断の日が迫っている。(静)


