先日、御坊市の藤田小学校で行われた「南極教室」を取材。「南極にはペンギン、北極には白クマがいる」「南極は大陸、北極は海」という大まかな認識以上に、南極に関する具体的な知識を得ることができた◆講師は、同校を2007年に卒業した阪本実紀さん。第67次南極地域観測隊(越冬隊)の一員として、昭和基地で気象観測の仕事をしている。今回は1万4000㌔の距離を超えて、リアルタイムで母校の子どもたちと交流。普段知ることのない極地での生活を後輩たちに伝えた◆ほかの隊員も画面に登場し、それぞれの専門分野について説明。南極のオゾン層が、地球上の生き物や自然を有害な紫外線から守っていること。太陽の光にキラキラと輝く美しい「ダイヤモンドダスト」の光景。作ったばかりの熱いカップラーメンが、外に出すとすぐに凍ってしまうこと。さまざまな知識が子どもたちに紹介された◆小学校の時、学級文庫でアムンゼンの伝記を読んだ。ノルウェーの探検家で、今から115年前の1911年、人類で最初に南極への到達に成功した人物である。27年には日本を訪れ、昭和天皇にも謁見。各地で講演を行ったという。残念ながらその後、北極で遭難した探検隊の救助に向かい、消息を絶った。55歳だった◆人類にとって未知のかたまりだった極地。幾多の人々の過酷な挑戦を経て、現在は設備の整った基地で、隊員たちが日夜観測を続ける。人類の英知が未知の領域に光を投げかけ、人々の知る世界を広げている◆地球上で最も寒い場所。自分たちと同じ校舎で学んだ先輩が今、そこに暮らし、日々大切な仕事に励んでいる。子どもたちにとって、南極は特別な親しみのある地名となったかも知れない。(里)