長引く不安定な中東情勢が日本国内のさまざまな産業に打撃を与えている中、日高地方でも石油由来製品の品薄、高騰などの影響が出ている。運送業では荷物を固定するためのストレッチフィルム、自動車整備業ではエンジンオイルなどが手に入りにくく、価格が高騰を続けており、一日も早く情勢が落ち着くことを願う声が聞かれている。

御坊市の紀勢運輸株式会社の杉本和隆社長(58)によると、パレットに積んだ荷物を固定したり、商品を触らないようにするために使われるストレッチフィルムが品薄で、発注しても本数制限がある上に価格も3割ほど高騰している。JAわかやま紀州地域本部川辺選果場やがいなポートから農作物を京阪神などへ運ぶ際、パレットに積んだ荷物の周りを囲うのに使用している。「価格は高騰しっぱなしだが、運賃に転嫁できないので経営は圧迫されるばかり。運送業界だけでなく、多くの業種が苦しんでいる。この時期を乗り切るためにも、国や行政は税金を下げるなど救済措置を考えてほしい」と訴える。
みなべ町の運送会社代表の40代男性も「うちはまだ在庫はあるが、発注元の業者からフィルムが手に入らないと相談を受けて提供した。トラックの荷台に使う断熱材や塗料が手に入りにくいため、新車を注文しても製造がストップしていると聞いた。影響は長引くんじゃないか」と話す。
自動車整備工場ではエンジンオイルが思うように仕入れられない。各工場や仕入れルートにもよるようだが、印南町内に工場を構える50代男性は4月に問屋に仕入れを依頼したが、1カ月半待って5月下旬にようやく入手できた。この間、オイル交換の依頼にも応えられない事態になった。
男性は「これまでは注文すると2、3日で当たり前に入ってきたが、いまはこれが現状。ようやく手に入れた分もいつなくなるか分からないし、次の発注分もいつ入ってくるか分からず本当に不安。こんなことは初めてで、世界情勢の影響がこんなところまできていることを実感した。早く落ち着いてくれることを願うしかない」と表情を曇らせた。
修理工場を営む別の40代男性も「ディーゼル車の燃料に注入する尿素(尿素を入れる容器が石油由来製品で品薄)が入ってこない。何よりいつ改善されるのか見通しが立たないのが不安」と話しており、一日も早い終息を願っている。


