国立極地研究所主催の「南極学習」が1日、御坊市の藤田小学校(財福美校長)で行われ、卒業生で現在は南極の昭和基地で働く阪本実紀さん(30)とZoomで映像を通じて交流。基地での仕事の内容などめったに聞けない南極の話に子どもたちは目を輝かせて聞き入った。阪本さんは南極の過酷な寒さ、仕事内容などを紹介。子どもたちはお礼に皆で校歌をうたい、阪本さんは久々に聞く母校の校歌に笑顔で聞き入っていた。

南極の仕事を説明する阪本さん

 阪本さんは2007年に同校を卒業。大成中学校、桐蔭高校から神戸大学、同大学院を経て気象庁に入庁し、現在は昭和基地で南極地域観測隊(越冬隊)の一員として気象観測の仕事をしている。

 特別授業では、子どもたちが「阪本さーん」と呼びかけると笑顔で映像に登場。「今、南極はマイナス11度です。日本から南極までは、御坊から白浜まで280回行くぐらい離れています」と話し、自身の仕事について「南極の空を調べること。気球を空に上げて、温度、湿度、風などを調べています。南極の空はとてもきれいです」と説明。南極上空のオゾン層が地球を紫外線から守っていることなど南極の自然について話した。基地を紹介する動画も流し、熱湯で作ったばかりのカップラーメンが外に出すと瞬時に凍る様子などに、子どもたちは驚きの声を上げて見入っていた。

 子どもたちからは「南極グマはいますか」「南極に地震はありますか」「水が足りなくなることはないですか」などさまざまな質問が飛び出し、阪本さんは「大きなほ乳類ではアザラシがいますが、クマはいませんね。南極に地震はありませんが、世界で起こった地震による波はここまで到達します。海水を水に変える機械があるので、水はたっぷりありますよ」など丁寧に回答。最後に基地のチームワークについて「いろんなトラブルがあっても、周りの隊員に助けてもらっています。皆さんも、周りの人のことを考え、助けてあげられる人になってくださいね」と後輩に呼びかけた。本紙の取材にこたえ、「昭和基地には来年3月まで滞在します。忙しく、充実しているのでホームシックになるようなことはありません。仕事で一番大変なことは観測機械のトラブルですね。部品を買いに行くことはできないので、あるものだけでどうにかしなければならないのが大変です」と話した。

 授業のあと、橋本奈々さん(6年)は「初めて聞くことばかりで、すごく面白かったです」、中井麻衣さん(同)は「基地の中にも髪を切るところがあることなど、いろいろなことが分かってよかったです」など笑顔で感想を話した。母の阪本智子さん(62)も来場しており、「久しぶりに姿を見ました。思ったよりも元気そうだったので安心しました」と話していた。