
今回紹介する本はさくらももこさんのエッセイ「たびたび」です。この本はさくらももこさんが編集長を務めた雑誌「富士山」に掲載されていたエッセイの中から、これまでに書籍化されていなかった11編をまとめた1冊です。雑誌「富士山」はさくらさんが企画から取材、文章の執筆まで担当し2000年~2002年に刊行されました。
「たびたび」はその名の通り旅をテーマにしたエッセイ集で、オランダ・ユトレヒトへ絵本作家のディック・ブルーナさんに会いに行った話や、香港へ行って中国茶を爆買いする話、大阪や福岡へのグルメ旅など国内外さまざまな場所に行って体験したことを綴っています。
さくらさんのエッセイといえば日常の何気ない出来事を書いた親しみやすさや、思わず笑ってしまうユーモアが魅力です。このエッセイでも新潟のロシア村という場所に行ったエピソードが特におもしろく、読んだ後に「新潟ロシア村って今はどうなっているのかな」と気になって検索したほどです。この本に収録されているエピソードは雑誌が刊行されていた20年以上前の文章ですが、古くささや違和感は一切ありませんでした。私自身ちびまる子ちゃんが大好きでさくらさんのエッセイもよく読んでいたので、さくらさんの訃報から8年経ってまた新刊が読めるなんて…と、すごく楽しんで読むことができました。表紙のイラストもさくらさんらしい温かみのあるイラストで、この本にぴったりだなと感じました。巻末には今年の夏ごろにも新刊を発売予定との記載があったので、そちらも楽しみに待ちたいです。(彩)


