
古典に根差した格調高い短歌で知られ、宮内庁御用掛も長く務めた歌人の岡野弘彦さんが先月24日、心不全のため死去した。101歳。
岡野さんは三重県の神主の長男として生まれ、国学院大文学部予科に進学。戦時中に召集を受けた。戦後は民俗学者で歌人の折口信夫(釈迢空)に師事し、古典の素養に裏打ちされた作風で歌壇を代表する存在となった。
由良町の白崎を題材とした歌もあり、「海原はなぎしづまりて白崎の神のいはほにあさひてりくる」。1993年には大引地区の白崎万葉公園に歌碑が建立され、除幕式には岡野氏も出席した。
町にゆかりのある偉大な歌人の訃報に、地元から悼む声が上がっている。数年前まで活動していた町文化協会の短歌サークルに所属していた山下清美さん(里)は、「先生方がよく岡野さんの話をされていたことを思い出します。由良町にゆかりのある歌人が亡くなり、悲しく思います」と偲んだ。


