由良町産ニンニクを使ったハンバーグが、いよいよ全国の食卓へと広がる。ミートボールで知られる石井食品株式会社が地域の一素材に光を当てる取り組みとして開発した商品で、6月下旬から全国で販売されることが決まった。
由良のニンニクは1960年代、町に入ると香りで分かると言われるほど盛んに栽培されていた。しかし安価な中国産の流通拡大に押され、一度は衰退。それでも近年は国産志向の高まりや地産地消の流れ、食の安全・安心への関心の高まりを背景に再び注目が集まり、生産を立て直そうとする動きが続いている。今回の商品化は、そうした再生の流れを後押しする取り組みともいえる。
昨年開発されたのは鶏肉ベースのハンバーグで、和風醤油ソースとトマトソースの2種類。県内スーパーなどでの試験販売は好調で、泉佐野市で開かれたイベントでは1時間に600個を売り上げる人気を見せた。販売する味を決める投票も行われ、トマトソースが選ばれた。個人的には和風醤油が気に入っていたのだが、トマトソースの方がよりニンニクの風味を感じられるなどの理由で人気だったという。
商品は5月に県内スーパーで先行販売された後、全国へと広がる。販路の拡大により認知度が高まれば、原料となるニンニクの需要増も期待され、生産者の意欲向上や新規参入の後押しにもつながる可能性がある。かつて地域を包んだニンニクの香りが、形を変えて再び広がろうとしている。由良の名を冠した一品が産地への関心を高め、生産拡大や担い手確保、さらには地域ブランドの確立へとつながっていくことを期待したい。(城)


