多くの日本人にとって、なぜそんな発想になるのか、なぜそんなムチャな理屈を押し通そうとするのか、理解、共感できない中国という国。本書は中国ウォッチャーとしてテレビの討論番組でおなじみの著者が、日本人向けに書いたいわば中国の入門書です。

 強権と混沌を繰り返してきた人口14億人の大国について、▽弱肉強食のハイリスク社会▽細かいことは気にしない大ざっぱな性格▽飽くなき金への執着――など、日本人とは異なる中国人の気質を紹介し、一つひとつ、なぜそうなのかを事例とともに説明してくれます。

 14年前、最高指導者に選出された習近平中国共産党中央委員会総書記は、「中華民国の偉大なる復興」を掲げ、新中国建国100周年の2049年までに3段階に分けてそれぞれの目標を実現すると宣言しました。最終の第3段階は、49年までに米国を抜いて世界の頂点に立つ。周辺国が貢物を手に朝貢に訪れた昔の版図を取り戻し、21世紀の冊封(さくほう)体制を築くという野望です。

 いつ足下から崩れるかもしれない巨大な王朝は、常に強権的、威圧的に民を抑え込まねば維持できない。人口1億2000万人の日本人には想像を超えるストレスですが、当の中国の人たちはある意味、開き直って党の規制を上手に受け入れながら、超高圧的な対日外交は「どの口がいうねん」と腹の中でツッコミを入れているのではないでしょうか。

 著者は言語の壁がなくなりつつある「スマホネイティブ」ともいうべき両国のZ世代こそが、真の友好の力になるかもしれないと期待をしています。私もそうなることを願ってやみません。(静)