
新年度が始まる4月は環境が変わり、新たな出会いを迎える人も多いと思われます。今月のテーマは「出会い」とします。
「緋色の研究」(コナン・ドイル著、延原謙訳、新潮文庫)
ミステリー物の元祖的な存在、ミステリー好きでなくとも誰もがその名を知るシャーロック・ホームズ。シリーズ第1作の本書ではホームズと相棒のワトソンの出会いが描かれます。ワトソンはアフガン戦争で軍医を務め帰国したばかり、ホームズは風変わりな医学生として知られる存在です。
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室内にいる学生はたったひとりだけで、その人は奥のほうの実験台にのしかかるようにして実験に没頭していたが私たちの足音でふと顔をあげたかと思うと、うれしそうな声をあげてからだをおこし、そのまま立ちあがった。
(略)
「はじめまして」ホームズはていねいにいって私の手を握ったが、その握り方は言葉つきにも似ず、いささか乱暴だと思われるほど強かった。「あなたアフガニスタンへ行ってましたね?」
「ど、どうしてそれがおわかりですか?」私はびっくりした。


