少子化が加速し、全国各地で小中学校の統廃合が進んでいる。日高地方でも、日高川町の丹生、早蘇、中津、美山の4中学校が今年度末で統合され、新たに央和中学校が誕生する。かつては学校統合に対し、「地域から子どもたちの声が消える」と反対する声が強かったが、近年では「子どもが一定規模の集団の中で育つ環境が望ましい」との意見が多くなり、感覚的には教育環境の充実という観点から統合を前向きに捉える人が増えているようだ。だが、学校は単なる教育施設ではなく、地域交流拠点の一つとも言える。
もちろん、地域から学校がなくなることは寂しい。しかし、廃校となった校舎跡には新たな可能性がある。全国では、廃校舎を工場や体験型テーマパーク、レストラン、都市交流施設、酒蔵などに改修して活用しているケースもある。日高地方でも日高町の旧比井小学校は地域の憩いの場となるカフェ「ひいのの」や、ワサビ水耕栽培施設として活用。田辺市龍神村の旧甲斐ノ川中学校もシイタケ栽培施設に改築された。
空き家の問題も同様だ。かつては山間部で目立っていたが、最近では市街地でも徐々に増えつつある。放置すれば、災害時などのリスクを高めることにもなりかねない。有効な活用が求められる中、空き家の改修費用に補助金を出し、若い世代の定住や移住の促進につなげている自治体もみられる。
廃校となった学校も空き家も、視点を変えれば地域の宝。リノベーションすることによって有意義な再利用が進み、その施設に多くの人が集い、再び新たな歴史が刻まれていく。廃校や空き家は決して終焉ではなく、未来へと続く可能性を秘めている。(雄)

