
宇宙ベンチャー企業「スペースワン」は5日、串本町の射場「スペースポート紀伊」から小型ロケット「カイロス3号機」を打ち上げた。3回の延期を経ての打ち上げとなり、那智勝浦町の旧浦神小学校の見学場では歓喜の声が上がった。カイロスは轟音とともにリフトオフしたが、打ち上げ約5分後に2号機同様、飛行中断となり、ミッション達成はならなかった。
同小学校屋上の見学場では4日同様、発射10秒前からカウントダウンが始まり、ゼロとともに山間から轟音と激しい光を放ちながらカイロスが打ち上がった。見学者は歓声に沸き、カメラやスマートフォンで夢中になって撮影。涙を流し感動する人の姿も見られた。
その後、ロケットが見えなくなった後も、見学者たちは空を見上げて成功を祈った。しかし約5分後、飛行中断の連絡が届き、会場には落胆の声が広がった。それでも最後は、次回の成功への願いを込めた拍手で締めくくられた。
ロケットファンで国内の打ち上げの際には必ず撮影に訪れるという山梨県の30代男性は、「カイロスも初号機からすべて見に来ています。何度も打ち上げを見てきたので、上空で動きがおかしくなったときに中断が頭をよぎりました。ロケットは失敗を重ねて知見を積み重ねていくものなので、次はうまくいくと思ってまた来たいです」と言い、「ロケット好きからすれば何回も延期になるのは当たり前ですよ」と笑った。門真市から来た50代男性は「中断措置は残念ですが、飛び立つときの音と光を臨場感たっぷりに味わうことができた」と話していた。
カイロス初号機は2024年3月、2号機は同年12月に打ち上げられたが、いずれも飛行中にシステムの自動判断で爆破され、失敗に終わった。3号機は当初、2月25日に予定していたが、天候不良で延期。再設定した3月1日も同様に延期となり、4日は発射直前に全球測位衛星システム(GNSS)との通信が不安定となって安全システムが作動し、緊急停止していた。


