全国844の公立病院の2024年度決算によると、経常収支は総額3952億円の赤字となり、赤字病院数の割合は83・3%にも上るそうだ。コロナ禍の時には患者の病床確保などで国から補助金が出ていたため、一時的に経営状況が改善していたが、補助金が終了して悪化。救急、小児、周産期などの不採算医療を提供しているうえに、物価・人件費高騰など社会的、構造的要因があるためだとされる。北海道室蘭市では25日、経営難から市立病院を閉院することを表明、他の地域でも病院の再編、統合などの動きが進む可能性があるそうだ。

 御坊市と周辺5町が経営するひだか病院もコロナ禍以降、厳しい経営状況に転落。2026年度は約7億4600万円の赤字予算を計上する。入院、外来患者数が減少傾向で、医業収入だけで十分な資金を生み出せない上に、物価高や賃金引き上げの影響で支出が増加。病院側も危機感を持って経営改善に取り組む。

 全国的な公立病院の経営難を受けて、国は25年度から27年度までの3年間で病院事業債(経営改善推進事業)を発行。償還年限は15年間に設定しており、じっくりと経営改善に取り組むことができる。ひだか病院でも新年度は8億円を限度額に起債。経営改善へ重要な局面を迎える。

 地域医療の拠点となるひだか病院が、閉院するようなことがあってはならないのは言うまでもない。経営改善の努力は必要だが、もし、どうにもならない場合は構成市町の負担を増やすことも視野に入れなければならないかもしれない。住民の安心、安全には地域医療の維持、そしてさらなる向上が必要であり、そのために血税を使うことは、十分容認されるのではないか。(吉)