2月といえばバレンタインデー。今回紹介する本はそんな季節にぴったりな「チョコレート工場の秘密」です。この本はイギリスの児童文学作家ロアルド・ダールの代表作です。

 ある日、世界一有名なチョコレート工場の経営者ウィリー・ワンカが5人の子供たちを工場に招待すると発表して世界中が大騒ぎになる。招待されるのはチョコレートに封入された世界にたった5枚しかない黄金切符を手に入れた5人のみ。貧しい暮らしをしているチャーリーは奇跡的に手に入れることができ、ジョウおじいちゃんと工場見学に向かう。工場の中にはチョコレートの川や、食べると甘い味がする草や花が生えていたり、ウンパッパ・ルンパッパ人という小人がお菓子を作る作業をしていたりと不思議な世界が広がっていた。楽しい工場見学が始まったかと思いきや、一緒に見学に参加した子供たちは欲張ったり自己中心的な行いをして次々と見学ツアーから脱落していく。ワンカは子供たちをただ楽しい工場見学に招待しただけではなく、ある目的があって招待したのだった…。

 物語を読んで印象に残るのはウンパッパ・ルンパッパ人が歌う風刺の効いた歌です。何でも自分の思い通りにならないと気が済まないわがままな子供や、そんな子供のいう事を何でも聞いてしまう親の欠点を遠慮なく指摘していてかなり辛辣です。わがままや欲張りといった行動が悲劇を生んでいる様子を歌っているところはきつい言葉ながらユーモアがありました。子供向けの楽しい物語の中に強烈なブラックユーモアもあり大人も楽しめる物語でした。(彩)