野球のトラッキングデータ(投球や打球の回転数、速度など)を用いて課題を分析し、プレーの指導や戦略への活用を提案する力を競う第5回野球データ分析競技会の決勝プレゼンが14、15日に東京で開かれ、和歌山高専電気情報工学科4年の3人チームが、高専として初めて決勝に挑む。

同競技会は、野球界を支えるデータと指導現場をつなぐアナリストやコーディネーターなどの人材育成を目的に、学生(高校、大学、大学院)を対象に行われている。今回は25組が出場し、書類選考で決勝プレゼンに進む6組が選ばれた。6組のうち5組は大学、大学院のチームとなっている。
和歌山高専チームは、更井祥真さんをリーダーに、同級生の足立春樹さん、新宅良樹さんの3人。今競技会の課題は「スポーツ科学の視点から考える大谷翔平の長打力向上プラン」で、MLB(メジャーリーグベースボール)が提供する公式データ分析サイト「Baseball Savant(ベースボール・サバント)」のデータを活用し、長打力向上の方策を考えた。
3人は、大谷選手の打撃成績をデータ化する中で、打撃状態には調子の波がある点に着目。調子が悪化する前兆を捉え、打撃アプローチを変化させることで、シーズン全体の長打率を向上できると仮定し、さまざまなデータを分析した。その結果、スイング速度や空振り率などから算出した調子スコアと、打撃結果などから算出した指標を比較すると、調子スコアが低下した後に打撃指標も低下する傾向があることを発見。これらを踏まえ、調子スコアが高い局面では長打や本塁打を狙い、低い局面では無理に長打を狙わず、長打率の急落を防ぐアプローチに切り替えることを提案した。
昨年12月から作業に取り掛かり、1000以上に及ぶ大谷選手のスイングや打撃データを一つ一つ入力する作業を、放課後に集まって続けてきた。3人は「データの入力がとても大変だった」と苦労を振り返り、「決勝に進むことができてうれしい。発表は初めてなので、本番に向けてしっかり練習し、最優秀賞を狙いたい」と意気込みを語っている。


