
東大や京大の学生に一番読まれている本だという。
最難関の大学の学生たちが読んでいる本とはいかなる本なのかと興味があって読んでみた。ここに哲学的命題があるのか興味があった。著者は大学教授である。しかし、案に相違して学生たちの戸惑いにあれこれ応えたハウツー本であった。例えば、「飛行機とグライダーについて」では。
卒論のテーマで学生が悩んでいる。何をテーマにして書いていいのか分からないという。これを飛行機とグライダーに例えて、今の学生は自分の力では飛ぶことができないグライダーだ。著者はグライダーではなく飛行機になれと学生に諭す。
またどういうところで一番いい考えが浮かぶか?という所では、中国の詩人・欧陽修の「三上」や「三多」を例にして説明する。
「三上」とは、馬上、枕上、厠上。つまり馬に乗っているとき、寝ているとき、そして厠の中でいい考えが浮かぶのだと。また、「三多」とは、看多(多くの本を読むこと)、做多(さた・多く文を作ること)、商量多(多く工夫し、推敲すること)で、これらを実践するように学生に薦める。
そして思考の整理には、忘却がもっとも有効であると説く。(以下引用)
―忘れ上手になって、どんどん忘れる。自然忘却の何倍ものテンポで忘れることができれば、知識が古典化される。(中略)そうして古典的になった興味、着想ならば、簡単に消えたりするはずがない。
思考の整理とは、いかにうまく忘れるか、である。―
これが、東大、京大の学生には、刺さるらしい?(秀)


