みなべ町立高城診療所で33年8カ月にわたって院長を務めた大嶋仙哉氏(85)が今月末で退任、1月から新たに長男の有一氏(55)が引き継ぐことになり、19日に高城公民館で謝恩会と歓迎会が開かれた。約40人の住民が集まり、仙哉氏の長年の功績と、地域医療を継承する有一氏に感謝を込めて花束を贈呈。今後も安心して医療を受けられることを地元を挙げて喜んだ。

仙哉氏は高城小(当時は城西小)、高城中を卒業。65年に大阪大学卒。同大学医学部第一外科、紀南病院外科などを経て89年から紀南病院副院長に就任していたが、高齢のため一線を退いた父(故馨さん)の跡を継いで92年から高城診療所の院長に就いていた。診療所隣接の居宅に住み、昼夜を問わず往診にも奔走。高城こども園、高城小、清川小、高城中の学校医、特別養護老人ホームときわ寮梅の里の嘱託医も務め、地域の子どもからお年寄りまですべての世代の住民の健康維持に貢献した。高齢のため退任することになった。
祖父から数えて3代目院長を務める有一氏は田辺市生まれ、幼少期から大阪で育ち、95年に大阪大学医学部を卒業。同大大学院医学系研究科などを経て2005年から4年間、アメリカのボストン大学に研究留学。10年から兵庫県の公立学校共済組合近畿中央病院第一部長などを務めていた。循環器の専門医で、心筋梗塞患者らを多く救ってきた。父から院長の打診を受けたことと、心筋梗塞等の原因となる高血圧、メタボ、糖尿病などの予防や改善に力を入れたいと思っていたことから、高城診療所での診察が自分の役割だと感じて引き受けた。
謝恩会と歓迎会で山本秀平町長は「仙哉先生は地元だけでなく印南町からも受診に来るほど頼られていた。住民に寄り添った診療を続けてこられた功績に敬意を表したい」と感謝状を手渡し、有一氏には「地域医療を継承していただき心強い。住民の安心がこれからも続く」と述べた。
地域住民から花束を受けた仙哉氏は「皆さんの温かい支援で務めてこられた。息子が跡を継いでくれてほっとしている」と笑顔いっぱい。引き継ぎのため9月から診療所で診察している有一氏は「温かい患者さんや一人何役も担ってくれているスタッフ、行政の支援など人に恵まれた診療所だと感じている。今まで以上に安心できる医療を提供していきたい」と抱負を述べた。


