御坊市が窓口業務の改善を目指して取り組んでいる。今年8月には窓口の実態を把握しようと、採用2年目の職員が市役所で住民や来庁者らの立場になって窓口を体験。3世代同居の家族とペットのイヌの転入届を出すケースと、別居していた父の死亡届を出す場合の手続きを実践した。うち転入届の手続きでは、市民役の職員が関係する5課を回り、申請書37枚を使用、氏名を75回書くなどで予定していた2時間半では手続きが終了できなかった。今回、複雑な条件を付与したため、これほど時間がかかるケースはまれだが、煩雑な手続きは考えただけでもうんざりさせられる。
これを受け、市役所2階に試験的におくやみコーナーを開設。遺族が死亡届の提出後に必要となる故人の年金受給や介護サービス停止などの手続きを、一括して行えるワンストップ窓口となっており、複数の窓口を回る手間がなくなり、手続き漏れを防ぐ効果も期待されるという。ほか1階に加えて2階にも案内職員を配置し、発券機の位置の変更、窓口の椅子も引き出しやすいよう配慮するなど、できる部分から改善している。発券機の位置の変更など、実際に市民目線になってみないと分からなかったことであり、ちょっとしたことかもしれないが、そういった気付きは大きな成果。一層、市民目線の行政サービス向上につなげてほしい。
市民目線という点では新聞社も同じで、住民、読者目線の記事が日々求められている。経験や知識を積めば積むほど一般的な感覚からのズレが生じる経験バイアスや認知バイアスという現象も起きる。いま一度初心に帰り、時代が求める記事を書かねばならない。(吉)


