第70回田辺市美術展覧会の洋画の部で、印南町の田端莉子さん(田辺高校2年)の作品「月下」が最優秀賞に選ばれた。ランダムに引いた線から図形を抽出し、再構築して人の無意識を表現した作品で、全45点の中から最高賞に輝いた。

田端さんと最優秀賞受賞作品 「月下」

 田端さんの作品は縦約162㌢、横約130㌢の大作。図形を並べ替えるだけでなく、質感の変化を狙ってキャンバスの裏生地を使い、クレヨンと油絵具で着彩。絵の具を盛り上げることで、平面にとどまらない立体的な表情を生み出している。制作の途中、キャンバスの地の色と白の強いコントラストが生み出す光と影の世界に引き込まれたことから、白く輝く月の光に照らされた情景をイメージし「月下」と名付けた。

 「図形を並べ替える際には、直線や円のつながりを意識して微調整を重ね、全体のバランスに苦労しました。単に形を配置するのではなく、線がキャンバスの外へも広がるように工夫し、側面まで描き込むことでどの角度からも楽しめる作品に仕上げました」と田端さん。

 受賞については「初めて大きなサイズの絵に挑戦したため不慣れな点も多かったが、このように評価してもらえてとても嬉しい。多くの助言もいただき、それを次の制作へつなげていきたい」と笑顔を見せた。

 田端さんは小学校6年のころから絵画に興味を持ち、田辺高校入学と同時に美術部に入部。現在は部長を務めている。