第118回日展が今月31日から11月23日まで、東京都港区六本木の国立新美術館で開催。書部門で、溪友会を主宰する弓場龍溪(本名・和彦)さん(79)=日高町小中=が8年ぶり21回目の入選を決めた。県内書部門で故人を除くと最多、全5部門を通じても最多の入選回数となる。「皆様の応援のおかげと感謝しています」と喜びを話している。

弓場さんは白浜町出身。新書派協会創立者で日本芸術院賞作家の近藤摂南氏に師事し、現在は同会副会長、白浜美術家協会会長を務める。これまで日本書道大賞新人賞、毎日書道展毎日賞を受賞。読売書法展では読売新聞社賞を2回受賞している。御坊市文化賞、日高町文化賞等も受賞。
今回の受賞作品は調和体(漢字仮名交じり)で、「住井すゑの文」。住井すゑは「橋のない川」の著者として知られる作家。随筆「朝草」の一節、江戸時代の俳人で松尾芭蕉の弟子・野沢凡兆についてつづった文を2尺×8尺の用紙に12行で書いた。俳人であり医師でもあった凡兆に思いを馳せて書き、中央の平仮名の並ぶ部分は変化をつけるのに苦心したという。「以前、全国紙に連載していた住井すゑの文を読んでおり、骨格のしっかりした文章構成と反骨精神に共鳴していました。近藤先生の創立した新書派協会が70周年を迎える記念すべき年に入選でき、うれしく思います。多くの皆様の応援により結果が出たことは大変ありがたく、感謝しております。まだまだ未熟な作ですが、少しでも次元の高い作品を目指して頑張りたいと思います」と話している。
12月20日から来年1月17日まで、京都市の京セラ美術館で巡回展が開かれる。


