2日の印南祭を皮切りに、日高地方の秋祭りが始まった。以降、毎週末に各地で祭りが繰り広げられ、太鼓の音と掛け声が秋空に響いている。
筆者は印南祭と11日の衣奈祭を取材した。印南祭では午前、山口八幡神社の氏子らが印南漁港で勇ましい競り合いを披露。港に響く「ソーリャ、ソーリャ」の掛け声とともに、若中たちが力強く屋台を押し合い、日高地方の秋祭りシーズンの幕開けを告げた。午後は印南八幡神社の氏子らが名物の川渡を行い、4つの屋台と神輿が勢いよく川に飛び込んだ。水しぶきを上げて激しくぶつかり合う姿に、見物人からは歓声と拍手が絶えなかった。屋台の上で太鼓を打ち鳴らす若者や、びしょぬれになりながらも笑顔で声を張り上げる姿が印象的だった。平日開催にもかかわらず川岸には多くの人が集まり、熱気に包まれた。
衣奈祭では、吹井の唐船と神輿がぶつかり合う迫力の場面が最大の見どころ。海へ進もうとする神輿を唐船の若中が体を張って止めるという構図で、助走をつけて突進する神輿と、それを受け止める若中たちの姿に観客席から歓声が起こった。人口減少による担い手不足が続く中、地元企業に勤める外国人や自衛隊員らにも参加を呼びかけ、地域ぐるみで盛り上げている。
このあとも各地で祭りが続き、太鼓の音が日高路に鳴り響く。本紙ホームページ「日高新報オンライン」では、記者が撮影した各地の祭りの写真を公開中。勇壮な獅子舞や激しく競り合う屋形、巫女の舞、着物姿の子役など、祭りの多彩な表情を収めている。サイトには検索サイトで「日高新報」を検索し、トップページの写真館のバナーをクリック。(城)


