人がクマに襲われる被害が連日報道されている。散歩中の女性が走って来たクマに引っかかれたり、開店中のスーパーに入って来てケガを負わせるなど、考えられないような事態が日本各地で起こっている。防犯カメラ映像を見ると、クマの大きさや俊敏さに恐怖が増す。死者も出ており、対策は急務だ。ヒグマは別にして、ツキノワグマは臆病なので山に入るときは大きな声を出しながら歩けば大丈夫と昔に教わった記憶があるが、そうでもなさそうだ。野生動物と人の共生の難しさを感じている人も多いだろう。

 自然豊かで農業が盛んな日高地方で生活していると、共生の難しさを肌で感じる。当地方でもクマの目撃情報が増えていて、他人事ではないのはもちろんだが、イノシシ、シカ、サル、トリによる農作物被害はますます深刻だ。筆者の実家も農家だが、電気柵がなければ何も作れない。子どものころは電気柵をつけずとも栽培できていたと思うが、環境は変わるもの。高齢化と後継者不足で耕作放棄地が増えているのが要因の一つで、荒れた休耕地は獣害の温床になる。対策は待ったなしだ。

 日本一の梅の産地を誇るみなべ町でも、耕作放棄地は年々増えている。特に急斜面は顕著で、野菜などほかの作物を植えるにも難しい。だからといって、ほったらかすと獣の棲みかとなってしまう。問題を解消しようと、マカダミアナッツの栽培に挑戦しようとしているグループが発足したのは既報の通り。ユニークな取り組みで、上手くいって欲しいと願うのはもちろん、若手を中心に行動を起こす人がいることが何よりの強みで、まちの財産だといえる。町もぜひ後押しを。(片)