御坊市は10日、2025年度文化賞の受賞者を発表した。長年にわたり母子健康手帳の国際的な普及に尽力している公益社団法人日本WHO協会理事長の中村安秀氏(73)=御坊市出身、東京都杉並区在住=と、今年で発足30年を迎え写真の普及、発展に貢献している御坊写真教室(小池安彦代表)の1個人1団体。表彰式は今月31日午前10時半から、市民文化会館で行われる。


表彰は今年で50回目。今回を含め受賞は83個人、32団体となった。
中村氏は御坊小4年まで地元で過ごし大阪へ移住。その後、東京大学医学部を1977年に卒業、86年から国際協力事業団(JICA)の母子保健専門家として活動し、99年に大阪大学大学院人間科学研究科教授に任命、2017年には同大学名誉教授の称号を授与。翌18年に日本WHO協会理事長となり、現在に至る。
この間、1986年にインドネシアでJICAの保健医療活動をしている時に、日本で使われていた母子健康手帳の現地版を作成し、インドネシア政府と協力して全土に普及。現在、50以上の国や地域で日本をモデルにした母子健康手帳が活用されるようになった。受賞には「身に余る光栄。御坊で育ち、紀州の風土と人の温かさが、私の歩みを見守ってくれました。多くの方々に支えられ活動を続けてこられたことに感謝します」。
御坊写真教室は1996年4月、同教室友の会として発足、24年から現在の名称に変更している。気軽に写真の創作を楽しみ、会員相互の親睦を図ることを目的としており、楽しく和やかに会員同士が交流できる教室となっている。
月例会では作品を持ち寄り、互選を通じて互いの審美眼を養うとともに、講師を迎えて講評してもらい、撮影方法も学んでいる。会員は各種コンテストで多数入賞の実績があり、恒例の写真展には3日間で500人が来場。また、市制施行40周年記念の歴史年表に使う写真の提供など、市の歴史と歩みを次世代に継承する活動にも協力している。受賞には「会一同、誠に光栄なことと喜んでいます。先生方の指導や周囲の支援に感謝。これからもより感性を磨き、写真文化の向上、発展に少しでも寄与していきたいと思います」。


