日本一の梅の産地みなべ町で、急傾斜地で増える耕作放棄地の有効活用へ向けて、マカダミアナッツの栽培を研究、普及しようとナッツ研究会(﨑山晃市会長)が発足した。9年前から東本庄でナッツを栽培している永井恒雄さん(84)の発案で、昨年初めて収穫。今年はたくさん実を付けており、栽培できることは証明済み。将来的には「南高梅とナッツのまち」実現を目標に新たな挑戦が始まった。

急傾斜地に育ったマカダミアナッツの木の前で実を手に永井さん㊨と﨑山さん

 南高梅を栽培、普及に頑張っている永井さんは地元で「梅仙人」と呼ばれ、親しまれている。以前は梅を栽培していた東本庄の急傾斜地が耕作放棄地となり、「梅よりも手間がかからない作物を栽培したい」と、温暖化も考えて9年前、知人の紹介でマカダミアナッツ栽培にチャレンジ。世界的な産地のオーストラリアから種を購入し、半分ほどを枯らせ植え替えを余儀なくされるなど苦難もあったが、昨年、少量ながら初めて収穫できるまでにこぎつけた。今年は50㌃の畑に約100本植えているうち、多くの木に実が成った。

 永井さんは﨑山さん(55)らが梅産業を守るために耕作放棄地対策を模索していることを知り、マカダミアナッツ栽培を提案。﨑山さんや30、40代の若手を中心に永井さんのナッツ畑を研究場とし、今年8月に有志8人でナッツ研究会を結成。畑には代表品種のバーモントのほかたくさんの種類が植えられており、実の大きさやつき方もさまざま。今後は有望な木を選抜して種と接ぎ木で2年かけて苗木を育て、町内の耕作放棄地に実際に植えてよりよい栽培方法を研究していく。

 永井さんは「秋が収穫時期で、5月ごろに咲かせる美しい花だけでも観光に活用できる。年に1回消毒するくらいで手間もかからず、何よりおいしく価格もいい。急傾斜での安全で効率的な収穫方法も考えたい」と、大きな可能性を秘めたナッツの魅力を話す。﨑山さんは「あくまで梅が主軸で、梅からナッツに植え替えるのではなく、獣害の温床にもなる耕作放棄地への対策が主眼。誰でも栽培でき、安定生産、安定収入が得られるならば、いつかはみなべ町といえば梅とナッツといわれるようになればうれしい。まずは商売としてではなく、一緒に試験的に研究してくれる会員も募りたい」と話している。