和歌山高専の学生グループが御坊市のパン店「Bon Appetit YANAGIYA(ボナペティ・ヤナギヤ)」の協力を受け、道成寺の桜の酵母を使った「地パン」を開発し、11月に行う同校の高専祭で販売する。2年かけて試行錯誤を重ねた研究で、学生たちは「地域の新たな特産づくりに貢献できれば」と意気込んでいる。

取り組んだのは、生物応用科学科5年の久野太郎さん(京都市)と環境都市工学科5年の河村佳紀さん(有田川町)を中心としたグループ。国立高専機構の「Society5・0型未来技術人材」育成事業の一環として実施した。和高専はこれまでも地域の酵母を活用した研究を進めており、2人は日本酒やビールといったアルコール飲料の分野が中心だった酵母研究を「誰もが楽しめるパンづくり」に応用しようと、2年前から挑戦を始めた。
ヤナギヤの協力のもと、同校が所有する数十種類の酵母で発酵実験を繰り返し、配合に工夫を加えるなど試行錯誤を重ねた。その結果、道成寺の桜の酵母など2種類で正常な発酵に成功。通常の酵母に比べ発酵時間は長くかかるが、香りの強いパンが焼き上がったという。パン作りはヤナギヤだけでなく、研究室にオーブンを導入し、学生自ら生地をこねるなど、何度も実験を重ねた。
11月8、9日の高専祭では、塩パンやたまごパンなどの総菜パンに仕上げて販売する予定。久野さんは「丸2年かけて取り組み、最初は膨らまないことも多かったが、地域の酵母でパンが作れることを証明できた。新たな地域特産につながる可能性を示せたと思う。高専祭では多くの人に味わってもらいたい」と話している。


