残暑の厳しい日が続いているが、少しずつ秋の気配が感じられるようになった。朝夕がひんやりと涼しさを感じ、稲刈りが終わった田んぼの畔(あぜ)にはヒガンバナが咲き始めた。秋の彼岸の中日は23日だが、「暑さ寒さも彼岸まで」という諺がぴったりという感覚を受ける。
そして、秋といえば「食欲の秋」。この季節に食欲が増すのは理由がある。夏の暑さが和らぎ、涼しく過ごしやすくなることで、夏バテによる食欲不振が回復することなどの要因があるそうだ。ほかにも動物が持っている冬に向けてエネルギーを蓄えようとする働きも加わるという。
そんな秋には、旬の食材が目白押し。まず外せないのがサンマ。脂の乗った焼きサンマにスダチを絞ってかければ、それだけでごちそう。ほかにも自然な甘さの栗や柿、高級食材ながら秋を象徴する香りの王様のマツタケ。マイタケ、シイタケ、シメジ、ナメコのキノコも旬となる。スーパーにはこうした食材が並び始め、ついつい手にとって買い物かごに入れたくなる。
秋の味覚はおいしさだけでなく、栄養価も高い。例えばサンマは高品質なタンパク質を含み、必須アミノ酸がバランスよく含まれている。DHAは脳の機能を維持し、記憶力の向上や脳の老化防止にも役立つと言われる。柿は抗酸化作用もありシミやしわの原因となる活性酸素を抑える働きもあると言われる。キノコ類は低カロリーで栄養豊富で、疲労回復などの健康効果があるとされる食材だ。
秋は夏の疲れが出やすくなる季節。旬の食材には心と体を整える自然の力がギュッと詰まっている。食卓を囲みながら季節の変化を味わいたいと思う。(雄)


