御坊市役所1階ロビーに掲示された認知症本人の日常の何気ないつぶやき

 認知症への理解を深めてもらおうと、御坊市が「本人の声に耳を傾けようプロジェクト」を展開している。市内の介護施設や家庭での認知症の人の何気ないつぶやきを職員や家族から募集。これまで約1カ月間で認知症の人の心がちょっぴり垣間見えるような400近い一言が集まっており、一部を市ホームページや市役所ロビーで紹介している。

 認知症の人が発する一言にドキッとしたり、クスっと思わず笑みがこぼれたり、時には勇気づけられることもあり、そんな一言をみんなで共有し、認知症の人の声を聞く意識を高めてもらうのが狙い。つぶやいた人の言葉、年代、性別のほか、それを聞いた人が感じたことも添えている。

 自宅で暮らす70代男性は「挑戦したいんや」。ケアマネジャーへの相談時の一言で、そのケアマネジャーは「歩行が不安定で家族から危ないと散歩を止められている状況でも自分のしたいことをしたいという気持ちの表れだと感じた」。グループホームで暮らす80代男性が「兄やん、これ」と管理者に渡した手紙に「今日は良き1日でした」と書かれており、職員は「日中、バラを見て、喫茶店でコーヒーを飲んだことを忘れていると思ったが、覚えていたことに感動」とつづっている。グループホームの80代女性は「何もする事ないのもついらなぁ、あり過ぎるんもつらいけど。人間は難しいよ」と深い言葉。グループホーム90代男性は「阪神負けたら、メシうまない」とし、職員は「認知症が進んでいるが、自分の好きなことは、はっきり覚えている」。

 市は引き続き一言を募集しており、市ホームページや2次元コードから投稿できる。