7年前約100年ぶりに新種と確認されたクマノザクラについて、開花時期に個体差があることが分かった。県林業試験場(上富田町)の畑にクマノザクラを植栽して調べた結果、開花始期が3月初旬から4月初めまで約1か月間のばらつきがあったことを確認。開花期間も個体によって異なった。同試験場は「今後は鑑賞価値の高い個体を選抜していきたい」と話している。

クマノザクラは紀伊半島南部の和歌山、奈良、三重の3県にまたがる南北90㌔、東西70㌔の範囲に分布。2018年、野生の桜では約100年ぶりに新種の学名として発表された。日高地方でも日高川町やみなべ町で自生が確認されている。
試験場は22年度からクマノザクラの保全や活用に向けた研究を開始。県内各地から選んだ71個体を育成し、うち今年の春に51系統が開花した。平均の開花時期は3月6日から4月2日で、開花の早い個体と遅い個体では20日以上の差があった。開花期間も4日から28日間と個体によってばらつきがあり、平均は9・2日(ソメイヨシノは11日)。鑑賞用として長期間にわたって花を楽しみたい場合は、開花時期の異なる個体を混植するなどの方法が考えられるという。
ほか、これまでの研究で、クマノザクラとヤマザクラの雑種に関してはPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を使った遺伝子分析による判定法なども解明した。今後、試験場は約20系統の優良系統の最終選抜を進める。
調査を担当している山下由美子主任研究員は、「温暖化でソメイヨシノの生育に変化がみられている。温暖な気候の紀伊半島に自生するクマノザクラを普及させ、良さを知ってもらえれば」と話している。


