
熊野参詣道紀伊路で県指定史跡に指定されている日高町比井、若一王子神社境内の「お稲荷さん」を祭る稲荷小祠(しょうし)の補修修理が完了し、18日に遷座式が行われた。
日高町誌によると1909年(明治42)に津久野・比井唐子谷の稲荷神社を合祀。現在の形になり、シロアリによる食害で傷んでいた。補修修理は皿山守総代長(78)ら氏子たっての願いで、県の保存活用(補助)事業を活用。地元の山中建築が請け負い、今年5月から大工の山中雅嗣さん(48)=比井=と大工の大田仁司さん(48)=志賀=が共同で行った。
県文化遺産課の担当職員によると、小祠は釘の形状等からも明治時代以降のもので、修復された形跡はあるが時期は不明。シロアリの食害は広範囲にわたっており、少しでも元の部材を後世に残すために、使用可能なものはできるだけ使って慎重に作業し、過去にペンキで塗装された部分もあったが、今回はベンガラと柿渋を使用した。
遷座式では鍵本章宮司が祝詞を奏上。皿山総代長は「何年か前からいつ潰れるかわからない状態でしたが、皆さんのおかげで立派に修復できました。貴重な文化財を後世に残していけることがありがたく、今までと同じように皆で祭っていきたい」、山中さんは「いい状態で後世に残していけたら。秋祭り(10月11、12日)も近づき、多くの人に見てもらえる機会に間に合ってよかった」と話している。


